日本は敗戦によって多くの変化を強いられ、ある部分はなくし、ある部分は ひっそりと守りながら今日まできた。 昔の日本は良かったとある種のノスタルジアをもって今の日本を非難するの は簡単な事なのかもしれない。 暮らしが変わっていくということは、それが何かを失いながら思わぬ結果を 生むにせよ、私たちが望む豊かさに向かって動いている。 そして私たちには新たに生まれた問題がたくさんある。 なにかとストレスの多い生活を送らなくてはならず世代間のギャップははま すます広がっていく。 地球の環境は今、素晴らしい状態というわけではなく、食糧の循環がうまく いかず、食べ物に困らないのに、戦争はなくならない。 生活のスピードは不本意にもどんどん加速し、皆で作り上げてしまったこの 速すぎるシステムをもう自分達で取り扱うことができなくなっている。
現代人の抱える苦悩。それは今まで先人が経験したことのない深刻な問題な のかもしれない。
今、必要なもの。 それは日本人が生活の中で自然に体得していた感覚。 いろいろな形で色々なジャンルの中にそのエッセンスを残してきたもの。 和を感じ取る感覚。 この企画が、すこしでも、ひとりひとりの目の前に続く道の先を照らすよう なあかりになれば...と思います。
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